フェルメール好きなら必ず、
もし好きでなくとも、
フェルメールに関して知りたくなったら、
絶対訪れたい町、オランダの「デルフト」です。
フェルメールは43年の生涯のほとんどを、デルフトで過ごしていました。
ですので、デルフトにはフェルメールゆかりの場所がたくさんあります。
その1つがフェルメールセンター。
フェルメールセンターとは
フェルメールセンターは2003年に開設された新しい施設。
メインはフェルメールの全ての絵画が複製で展示されているところです。
他にも絵の具の調合の様子や、遠近法の手法の説明など、
フェルメールに関する様々な資料が展示されています。
さしずめフェルメール資料館と言ったところでしょうか。
フェルメールセンター地下階 フェルメール絵画の複製展示
地下一階の壁一面にフェルメールの全作品の複製が展示されています。
全ての作品が複製になっています。
地下階のぐるっと一周壁に掛けられています。複製ですから近くで見ても叱られません。
「ディアナとニンフたち」
この作品はギリシャ神話の一場面を描いたもので、最初期のものだと言われています。
ただ、この作品については、フェルメールであるという確証がないので、異を唱える研究者もいるそうです。
「牛乳を注ぐ女」
フェルメールの作品の中では「真珠の首飾りの女」とともに日本人に好まれる作品です。
フェルメールは陰影の魔術師などと言われますが、
それだけではなく、むしろ緻密な構成と丁寧な筆致に長けていることが評価されています。
この作品では、女の腕が日焼け後まで書かれています。
また、素焼きの壺の素焼きの感じ、パンの質感、それらを書き込んでいます。
中でも、瓶から注がれる牛乳は、液体のねじれがわかるように書いてあります。
他にも、たとえ複製であっても、分散しているフェルメールの作品を全て見られるのは感動的です。
ゆったり楽しんでください。
フェルメールセンター1階 ショップ
ここにしかない珍しいフェルメールグッズがあります。
フェルメールの絵画を刺繍した高級なバックなどが目を引きます。
んオランダ国立美術館でもフェルメールグッズを買うことはできますが、こちらの品揃えはピカイチです。フェルメールに関するものなら、こちらで買われることをお勧めします。
フェルメールセンター2階
作画についての解説コーナー
フェルメールが実際に使ったであろう絵の具の材料や、道具が展示してあります。
フェルメールの美しい青色は、「ラピズラズリ」を使っています。上の写真の標本箱の中にある青い岩石です。ラピズラズリは「いつのまにか海を渡ってきた青」という意味で、当時から高価で、なかなか手に入れられなかったようです。フェルメールはそれを贅沢に使うことで、あの深い青を出したのです。14人の子沢山であったことも理由の一つですが、顔料にお金をかけたことも、生活苦の理由でした。
フェルメールは、顔料の石を砕いたものに、胡桃を絞った油を入れ、練り上げて絵の具をつくったそうで、胡桃も一緒に展示されています。
また、フェルメールは材料の色数は大変少なくほんの10色。これだけの色を石から作り、それを混ぜることで、あの多彩な色合いを出していたそうです。1日に作る色は6色と決めて、その日に使う分だけ調合しました。
写真のコーナー
「手紙を書く婦人と召使」の陰影そのままに写るように照明が工夫されたコーナーです。
自分が写真の一部になれます。これ楽しいです。
構図のコーナー
フェルメールがどんなに構図に工夫していたかがわかる道具が見られます。
緻密に計算されていたことがわかります。
まとめ
フェルメールセンターの近くには、フェルメールの生家跡もあります。
また、距離はありますが、
タクシーで行かれる場所にフェルメールが「デルフトの眺望」を書いた場所があります。
ここで、フェルメールについて勉強したあとで、
アムステルダムまで移動して、
国立美術館で本物の「牛乳を注ぐ女」を見たら、感動もひとしおです。
デルフト焼きの小物探しも楽しいので、デルフトで1日使うつもりでいらしてください。