入学直後 保護者対応 こんな時どうする?

四月入学式です。

どこの学校でも前向きな気持ちに溢れた清々しい1日になっているはずです。

入学生たちは、これからの高校生活の不安を胸に抱えながらも、それを超える希望をもって入学式に望みます。
生徒たちのやる気が、教師の気持ちに火を付けて、先生たちもますます頑張ろうという思いが高まるはずです。保護者も胸弾ませていることでしょう。ようやく独り立ちさせることが出来たという満足感もあるかもしれません。

そんな中で、少数ではありますが入学直後から無理な要望をする保護者がいます。
特にここ数年は、インクルーシブ教育が言われるようになり、
中学で、手厚い個別指導が行われているためか、
高校でも中学と同じような個別指導がされるはず
と考えている保護者が増えました。

高校ももちろんインクルーシブ教育を目指しています。

◇インクルーシブ教育とは◇

障害のある者とない者が共に学ぶことを通して、共生社会の実現に貢献しようという考え方に基づく教育方法です。

でも、残念ながら高等学校は義務教育ではありません。
個別指導のための特別の教員配置もほとんどの高校ではありません。

教育相談の担当はいますが、
その先生も他の先生と同じ授業時間数ですから、
個別対応のための時間は担保されていないのです。

保護者の要望を全て聞いていたら、たぶん教員が潰れてしまいます。にもかかわらず、世論は保護者寄りで、教員には逆風が吹いています。出来ることと、出来ないことをしっかり区分してやらないとみんなにとって良くないことになりそうです。

では、どんな時は断って、
どんな時に対応すればいいのでしょうか。
具体例を挙げて考えてみましょう。

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入学直後の保護者の要望その1

保護者
うちの娘は日光アレルギーで、陽に当たるとひどい蕁麻疹がでる。体育の授業の配慮をしてほしい。

こういう申し出は本当に増えて来ました。
申し出の件数も増加しましたが、
アレルギーの生徒が増えているのも事実でしょう。

さて、こういう病気への配慮は命に関わる場合がありますから、
無下に断るわけにはいきません。
でも、どの子の要望も聞いていたら、集団の規律が守れません。

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大変残念なことですが、
本当の病気の子に混じって、
外運動が嫌いな子が真似して嘘をつくこともないことではないのです。
プールに入るのが嫌なので、生理だと言うようなものです。

生徒に嘘をつくことを教えるような教育現場はよくないですね。

学校内の運動制限に関する規定を設ける

このようなことを防ぐためにも、
校内の運動制限に関する規定を設けましょう。

例えば、

医師の診断書があり、
その中に運動制限が書かれてあれば、それに従う。
ただし、運動ができない場合の代替措置を実施する。

などです。
単位を認めるためには、
外に出られないので、教室でレポートを完成する、
などの代替が必要かもしれません。
それについては、校内でよく話し合って決めましょう。

入学直後の保護者の要望その2

保護者
娘は中学の時にいじめにあっていたが、
そのいじめていた首謀者が同じクラスになってしまった。
できれば席を離してほしい。

こういう要望も本当に増えました。

保護者が雛を羽でかばうようなものです。
たしかに雛のうちは親鳥の庇護がないと死んでしまう場合もあるでしょう。

でも、もう高校生です。
鳥でしたら自分の羽も生えています。
いじめっ子もいじめの被害者も、
高校に入って、違う自分を出したいと思っているかもしれません。

四月ひと月は見守るようにしたいと保護者に伝えたらどうでしょうか。
ただし、もし変わった様子がお家で見られたら、
すぐに対応しますので、いつでも連絡ほしいと申し添えましょう。

入学直後の保護者の要望その3

保護者
うちの子は指定校推薦を狙っています。
一年生の成績から大事だと聞いています。
先生よろしくお願いします。

この程度の要望はわざわざ対応している時でなくとも、
立ち話でされることもあります。
教員が気楽に頼める存在になっているからでしょうか。

それはいいことでも悪いことでもありますね。

こういう要望の落とし穴は、「安易に大丈夫と言わない」ということです。

三年後のことを今約束することはできません。
後になって、一年生の時大丈夫と言われた
と言いがかりのようなことを言われるのはいい気分がしないものです。

将来のことは約束できませんが、応援します。

とだけ答えておきましょう。

新任の先生へ

四月五月はどっと疲れるでしょう。

無理せずに、でも情熱を忘れずに。

困ったら誰かに相談。
管理職が頼りにならなくても、力のある先生が校内には必ずいますから。

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