『平家物語』木曽の最期 木曽義仲のわかりやすい 歴史 古文を読むために

古文  平家物語【義仲の最期】を理解するために

平家物語 は歴史に基づいて書かれた軍記物です。軍記物の理解は、現代語訳を何度も読むよりも、当時の歴史を理解した方がはやい場合がよくあります。

「義仲の最期」も同様で、この当時の歴史がわかれば訳はもちろんわかりますし、言葉の背景がわかって、古文を楽しむこともできます。

ここで、木曽義仲がなぜこの場で死ななくてはならなかったのか、歴史を解説しておきます。

貴族政治時代に重要だったのは人脈智謀
それに加えて武士の時代は
武力に勝らないと勝負になりません。

強い武力を持ちながらも、
人脈形成が下手な上に策略下手の木曽義仲が、
せっかく掴んだ念願の立場を、
短い間に失うことになってしまう。

貴族の時代と武士の時代の狭間に生きた一人の武将の死に様が
この「木曽の最期」です。

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1159年
平治の乱で源義朝を討った平清盛
一気に強大になり、
臣下としての最高位太政大臣を拝命します。

時の最高権力者、
後白河法皇との関係もよく、
清盛は権力をほしいままにしていました。

しかし、あまりにも清盛が力を持ったので、
危険を感じた法皇清盛降ろしを始めました。

が、反対に法皇清盛によって、
政治から手を引かされ、
幽閉されてしまいます。

治承三年の政変。
1179年のことでした。

清盛の独裁も束の間。

1180年4月9日
後白河法皇の第三皇子以仁王
打倒清盛のために立ち上がります。
諸国に散らばっている反平氏に挙兵を促しました。
以仁王の乱と言われています。

以仁王
すぐに、源氏の仲間が共鳴します。
その中の一人が源木曽義仲

義仲は信濃出身の田舎者でしたが、
倶利伽羅峠の戦いで圧勝し、
後白河法皇に力を認められ、
1183年、念願の上洛を果たします。

7月28日のことです。
その前日には、
追放されていた法皇も京に戻ることができました。

後白河法皇
これでまた院政が機能し、
その下で義仲が権力を持つかと思うのですが、
なかなかそうはいきません。

義仲は慣れない京都で上手く立ち回れなかった、
それが命取りになるのですのです。

自軍を率いて入京したのですが、
木曽から戦いながら来るうちに、
義仲の軍は大勢になっていました。

しかし、折しも厳しい飢饉で京都の町には満足な兵糧がありません。
そこで、義仲軍の兵士たちは京都の町でひどい狼藉を働いてしまったのです。

重ねて、義仲は立場をわきまえず、
皇位継承問題にしつこく口を出してしまい、
法皇のみならず、
皇族の多くから疎まれる存在になってしまいます。

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様々な義仲の振る舞いに怒った法皇の命で、
義仲9月19日
平氏討伐のために兵庫に出兵させられることになるのでした。

一方、この時期に
うまく後白河法皇の懐(ふところ)に入った人物がいます。

源頼朝です。

10月14日
頼朝は関東の支配権をもらい、
義経を上洛させます。

厳しい戦いに先陣を切ってきたという思いのある義仲は、
15日いったん京へ戻り、
法皇に抗議しますが聞き入れられません。

11月4日
法皇義経と頼朝と結んで、
義仲を西国に下野させようと下知します。

それを不服に思った義仲はとうとう法皇軍と戦うことを決心します。
今まで支配の下にいたのに反旗を翻すかたちになってしまったのです。

ふつうに考えたら、
法皇軍があっさり勝ってしまうかと思われるのですが、
11月19日
戦い開始10日ほどで、
なんと義仲が一度法皇軍を負かし、
後白河法皇を幽閉します。

21日
義仲は藤原基房(前関白)と連携し、
22日には
基房の子・師家を内大臣・摂政とする傀儡政権を樹立します。

12月10日には
源頼朝追討の院庁下文を発給させ、
形式的には官軍の体裁を整えます

しかし、年明け早々、
鎌倉の頼朝が、
義仲追討のために範頼と義経を京都へ派兵します。

鎌倉軍は体力が余っていて、勢いがあります。
次々と途中の義仲軍を破り、
1184年1月6日
岐阜へ入り、いよいよ京が目前となります。

義仲はいよいよ決戦の覚悟を決めます。
しかし、力を余した鎌倉軍に比べ、
義仲法皇幽閉にはじまる一連の行動により既に人望を失っていて、
付き従う兵は無く、
1月20日
宇治川や瀬田での戦いに惨敗することになるのです。

後に源頼朝が鎌倉に幕府を開く8年前のことです。

以仁王の呼びかけに賛同して、
義仲が名乗りを上げてから、4年後のこと、
初めての上洛を果たしてから、
ほんの半年後のことなのでした。


その後がこのお話。

というわけです。

木曽の勇者義仲が、最期どのように戦ったのか、とっても気になりますね。

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