有明の つれなく見えし別れより 暁ばかり憂きものはなし
壬生忠岑 30
高校生訳
高校生
前に女に朝になったらさっさと切られてから、オレ夜明け苦手。女ってなんかすごい。
解説
平安時代のデートは専ら深夜。
男性が女性宅を訪ねることでした。
明け方日が昇る前に帰るのが、相手の女性への気遣いでもありました。
明るい朝日の中で顔や髪をまざまざと見られたくないという女性の気持ちを尊重するためです。
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でも、男性にしてみたら、朝もまったりしたいもの。追われるように帰るのはちょっと寂しい。
この人は、以前「つれなく見えし別れ」があったのです。
「つれなし」は連れなしと書いて、繋がらない、関わりがないが本来の意味です。
昔、相手の女性が自分につれない態度をとったのでしょう。それが作者忠岑にはきっとトラウマになっていたのですね。あれ以来ずっと朝がだめということですから。
いざという時女は潔いとはよく言われる言葉です。
また、退職後の旦那さんを「濡れ落ち葉」などと、
ベタベタと奥さんから離れない様子を言ったりもします。
平安の昔から男性は後を引く感情が深かったのかもしれません。
この歌は古今集からとっています。
それにしても、こんな女々しい歌を古今集に選ばれても動じないのですから、忠岑は実は潔かったのかもしれないですね。
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