『枕草子』五月ばかりなどに山里ありく 現代語訳 おもしろい よくわかる

『枕草子』五月ばかりなどに山里ありく の原文

五月ばかりなどに山里にありく、いとをかし。草葉も水もいと青く見えわたりたるに、上はつれなくて草生ひ茂りたるを、ながながとたたざまに行けば、下はえならざりける水の、深くはあらねど、人などのあゆむに走り上がりたる、いとをかし。

左右にある垣にあるものの枝などの、車の屋形などにさし入るを、急ぎてとらへて折らむとするほどに、ふと過ぎてはづれたるこそ、いと口惜しけれ。蓬の、車に押しひしがれたりけるが、輪の回りたるに、近ううちかかりたるもをかし。

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『枕草子』五月ばかりなどに山里ありく のあらすじ

五月の牛車でのお出かけの楽しさ。

『枕草子』五月ばかりなどに山里ありく の超現代語訳

訳に入る前に

これはお出かけした時すごく嬉しくて、感想書いた感じの段よ。

だって、当時の私たち貴族社会の女はお出かけなんて、滅多にしないのよ。
いっつもお家の中にいて、膝歩きでさぁ、長い髪と白い肌が大事なの。
ホワイトニング命は後の世と同じね。

でたまにお出かけって言っても、牛車だからね。
歩いたりじゃないわよ。
牛に引かせた二輪の屋形車よ。
牛の口に手綱をかませるから、そこが、ちょうど屋形の床になるのね。

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だからどうかしら、床の高さは後の世の人の肩くらいよ。
すごく高いの。今の自動車から見るのとは随分違うわよ。
牛車の窓って小さくて簾ついてるから、あんまりはっきりは見えないわね。

それから季節。
今とはひと月ずれてると思っておいてね。
五月っていっても爽やかな今の5月ではなくて、6月の時期を昔は皐月、五月っていったのよ。
だから梅雨時でジメジメしてたり、晴れるたびに草がぐんぐん伸びたり。そんな季節よ。

じゃぁ訳やるわね

五月くらいに山の方にお出かけって超楽しい。

山里を牛車で行くと、苗や草葉だけじゃなくてね、
水まで一面に青く見えちゃうのよね。
田植えした後の時期だしね。
代田ってやつよ。

水面はまるでその下に水なんてないように草が生い茂っているところを、ぞろぞろと一列になって行くとね。
あらびっくり、
草の下にはなんとも言えないほどきれいな水深くはないとこがあって、

そこを人が歩くとハネがあがったりするのよ。
なんか素敵でしょ。

牛車が通る道の左右の生垣の枝が、車の屋形に入り込んじゃったらもう大変。
なんとかその枝をなどを動いてるなかで、
急いでとって折ろうとした瞬間に、
さっと行き過ぎちゃって屋形から枝がはずれちゃったりしたら、
もう悔しくて悔しくて。枝取りたかったなぁってなるわ。

蓬の花がね、
牛車の車輪に轢かれて、車輪にくっついて、ぐるって回るときに、わたしたちの近くまで降りかかってくるのよ。

あれもいいわよねぇ。

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