『枕草子』雪のいと高う降りたるを 現代語訳 おもしろい よくわかる 古文

『枕草子』雪のいと高う降りたるを の原文冒頭

雪のいと高う降りたるを例ならず御格子まゐりて、炭櫃に火おこして、物語などして集まりさぶらうに、「少納言よ、香炉峰の雪いかならむ。」と仰せらるれば、御格子上げさせて、御簾を高く上げたれば、笑はせたまふ。人々も「さることは知り、歌などにさへ歌へど、思ひこそよらざりつれ。なほ、この官の人にはさべきなめり。」と言ふ。
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『枕草子』雪のいと高う降りたるを のあらすじ

冬の雪の日に、中宮定子様のお部屋であったでき事。清少納言が中宮様の問いかけに中国の漢詩を覚えていて、即興でうまい行動をした話。

『枕草子』雪のいと高う降りたるを の超現代語訳

ごめんなさい。最初にお断りしておくと、これもまた私の自慢話。
本当に宮仕えの思い出書くと全部そうなっちゃうのよ。
悪気はないのよ。

これは冬で雪がとってもたくさん降った日の話よ。

いつも雪が降ると、格子をあげて、雪景色を楽しんだりするものなのよ。

京都って私たちの頃はすごく寒いのよ。
今は温暖化とか言うけど、それでも京都は冬は寒いわよね。

この当時は、ガラス戸とかなくて、
格子っていう雨戸みたいなものと、障子しかないのよね。
そんで、宮様の周囲はカーテンみたいな御簾ってのがあるだけ。

あのね、御所でそれだから。
庶民の住処なんて押して知るべしよ。
飢饉の年に秋に米が採れないと、冬にたくさん人が亡くなったのよ。
それは、飢え死にもたくさんあったけど、それだけじゃないわ。
凍死も多かったのよ。
食べてなくて寒くて凍えてしまうのよ。

もちろん、御所ではそんなことはおきないけど、
でも御所も冬は寒いわよ。
十二単って、実際は十二枚も着ないけど、
それでもたくさん重ね着したのは、気温のせいもあるのよね。

そんでもって、西洋では、この時代から
部屋全体を温めるような暖炉みたいな暖房器具があったじゃない。
煙突作ってね。
お隣の韓国だとオンドルって言って床暖房を考えられていたじゃない。
どんなに貧しい暮らしの家でもオンドルだけはあったらしいのよね。

なのに、我が日本の国は火鉢だけよ。
これってないわよね。

で、京都は雪はどうかっていうとあんまり降らないの。
どっちかって言うと珍しいの。
しかも雪の日は何となくあったかいのよ。
まあ雲があって放射冷却がないから当然だけどね。

だから、雪の日はみんなで集まっておしゃべりして、雪景色を楽しむのよね。

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それで、あるすごく雪が降った日。
いつもになく格子を下げなさって、炭櫃の火とか起こしてね。
女房たちが宮様のところに集まって、あれこれおしゃべりして過ごしていたの。

こういう時のお話って盛り上がるのよね。
誰かが聞いた物語の続きとか。
もちろん噂話もするけどね。

そしたら、中宮様がね。
「少納言よ。高炉峰の雪はどんな具合なのかしら」
っておっしゃったの。

高炉峰っていうのは中国にある山の名前よ。
中国の有名な漢詩に出てくるのよ。

「日 高 睡 足 猶 慵 起 (日が高く上るまで眠ったのに、起きるのがおっくうだ )
小 閣 重 衾 不 怕 寒 (部屋で布団を重ねているので寒くはないな)
遺 愛 寺 鐘 欹 枕 聴 (遺愛寺の鐘の音を、寝たまま枕から耳を立てて聞き )
香 炉 峰 雪 撥 簾 看(香炉峰に降る雪は、すだれをちょっと上げて見てみる )

こんな詩よ。

冬の朝って暗いから寝坊になるじゃない。
寝過ごして、まだぬくぬくとお布団の中で冬景色を楽しんでる時を詠んだ詩なのよね。これすごい言い当てているか、当時から人気で私たち知識人は暗記してる人多かったのよね。

だから中宮様は私をお試しになられたのよ。
この子あの詩知ってるかしら。
すぐに反応したらたいしたものだけどって感じじゃないかしら。

だから私さっとやったのよ。
周囲の子に格子を上げさせて、中宮様の前にかかってる御簾をくるくるっと巻いたのよ。
白居易の詩にあるじゃない。
「すだれをちょっと上げてみる」
って。
そしたら、中宮様ったら喜んで微笑まれるの。

そんでもって周りの人たちも言うのよ。
「そういうことは知ってるし、
漢詩にあることもわかってるけど、
こんな風にすぐにはでてこないわ。
やっぱりさすが中宮定子部屋の女房だけのことはございますわ」
って。

中宮さまってたまになぞ賭けみたいなことなさって、
私たち女房の知性をお試しになられるのよね。

そん時の私すごかったって話。ごめんね。また自慢で。

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